砂岡事務所リーディング公演「独立記念日」

8/13 12:00
砂岡事務所リーディング公演 独立記念日@CARATO71

■出演
石川由依
高橋未奈美
花江夏樹
大谷亮介

原田マハさんの独立記念日(インディペンデンス・デイ)という本から5本の短編を4人の声優によって織りなされる朗読劇。
5月、7月と田上真里奈さんの朗読劇は観劇しているのですが、おそらくこれがシンプルな朗読劇なのだろうな、声を愉しむ素敵な朗読劇。
いっしーもみーなが交互に主役の女性その他を演じるわけですが、アニメでは演じないであろうお二人の演技が見ることができてとてもいい時間でした。

いっしーが声を当てると登場人物のブレなさ、真っ直ぐさというのが一層強調されて伝わってきました。
まっすぐ爽やかすっとした声が、「川向の駅まで」「雪の気配」の主人公にとてもピッタリで、ヒロイン力というのがものすごかった。

みーなは「月とパンケーキ」「真冬の花束」どこか影のある主人公というのを、とても丁寧に繊細に演じており個人的にその演技にすごく驚きました。
また、みーな自身の根底にある優しさというのがお芝居にも現れていて、愛しむ視線というのが朗読劇なのに感じられて、メイドラゴンのルコアさんのときも思ったのですが、その柔らかさというのがとても好きです。
花江さんは各短編ヒロインの主に恋人役だったりを演じられていたのですが、その明るく太陽のような佇まいがすばらしく、またそういった要素が強かった「月とパンケーキ」では無常さというのが際立っていましたし、「川向の駅まで」「川面を渡る風」では物語に彩りを添えている感じがしました。
余談ですが、この数時間後には舞台デジモンアドベンチャーtri.を観に行っていまして、映画のほうでは花江さんが主演されているので、実はデジモンデーだったという(笑)
大谷さんは、父親役であったり、父親ほど年の離れた○○、といった役どころを優しさと深みを持った素敵な声で演じられていました。
個人的には声もそうなのですが、読んでいるときの表情が印象的で、「川向の駅まで」では愛娘を見守る父親の顔を目の当たりにして、こみ上げるものがありました。

実は私が行った回というのは、マイクトラブルで途中マイクなしの生声での朗読となったわけですが、生声での朗読というのはある意味貴重で、トラブルではありましたが、個人的には直に伝わってくる声というのが聴けて嬉しかったです(というとスタッフさんに怒られるかもしれないですが)
朗読劇が終わった後の爽やかな読了感がすごくて、会場が閑静な住宅街の中にあって静かな場所でしたので、渋谷駅に向かう道中、夏にしては柔らかい日差し、少しの湿気と心地よく流れる風が、素敵な余韻を増幅させてくれて、いやはやとても素敵な休日でした。