島々清しゃ

先日、島々清しゃという映画を見てきたのでそちらの感想をば。

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話の流れは、イントロダクションを参照ください、といいますか筋はイントロダクションのままなのです。

 

うみちゃんは、耳が良すぎるが故に、友人はおろか母親とですらうまく関われないでいる少女。

彼女の耳あてというのは、人との断絶を象徴しているようで。

だけども、東京からやってきたヴァイオリニストの祐子と出会い、彼女の音に耳を傾け、ちんだみが狂っているからという理由で自ら奏でることを避けた音楽と向き合い、音楽を奏でる仲間たちとぶつかり対話し、仲間を得て、仲間の音を聞き、人と溶け合っていく。

祐子が東京に帰る場面での、仲間たちと奏でる島々清しゃでは、断絶の象徴の母からもらった耳あてを外し彼女の世界がカラフルに彩られたようで。

この場面での伊藤蒼さんの演技がとても素晴らしく、耳あてを外す前と後とでは顔つきが違うんだよ、外した後はとても柔らかなんだ。

 

その耳あてを外す場面では、おじーにより那覇から呼び戻されていたうみちゃんの母親にうみちゃんが「わたしはちんだみ狂っているから、みんなの音を聞かんといかん。これ(耳あて)をしているとみんなの音が聞こえないから返そうね」といって耳あてを託され、うみちゃん達が奏でる音楽で救われる(というか重い何かからの解放かもしれない)

 

この物語では、とにかくオジーのあの不器用な優しさというかそういうのがとても素敵だなぁと思いました。

人間、生きているだけで80点

オジーが東京で行き詰まっていると打ち明けた祐子に対して語りかけた言葉。

楽しいことも辛いことも含めて80点になるというオジーの言葉はとても優しい。

 

音もとても素晴らしく、映画館で見てよかった。