エフェメラル・エレメンツ

某日、吉祥寺シアターにてエフェメラル・エレメンツを観劇してきました。
以前からちゃんとお芝居を観てみたいと思っていた、岡田あがささんが出演されるというのと、純粋にすごく気になっていたので。 以下ネタバレ含みますのでご注意ください。






人間とロボットの共生。
AIとかでよく思うのは、人間らしさをロボットに追求することで、人間とロボットのボーダーって何なのだろう?とか考えることもあったのですが、このエフェメラル・エレメンツは、1つのifの物語だなぁと。

ロボットを人間に近づけること―形から始まり、声がつき、表情がつき、人間をわかろうとし、そして感情を持つ。
そしてロボットと共生することは、ロボットに育てられる人間が出て来るわけで、ロボットに育てられた人間はどう成長するのか、そういう人がどう人間を理解し、どうロボットを理解するか。
たくさんのifが散らばっていて、すごく色々な想像が湧いて、帰路につきながらなんだかすごく色々なことを考えてしまった。

情報量が多いし、名前などがとっつきづらいというのもあって、まだ消化しきれていない部分もあるので、もう一度観るとまた違った感じ方をするのかなぁと思いました。
ロボットってあの世界では結局”希望”だったのかな?


少し役者さんに触れると、お目当てのあがささんは、とても人間臭くてとても大胆で繊細で、そしてとてもロボットでした、スポンジのように多くを吸収する小さな子どものようなキラキラ感を纏っていた。

H教授役の田中壮太郎さんは人間を拒否しているように見えてどこまでも人間的で、ロボットに求めるものが一貫して人間の一部で、そして孤独で、複雑な味わいをこの世界に届けていたなぁと。

T教授の笠木誠さんの、どこまでもブレずに機械の可能性を追い求める純粋さがまた。

個人的には中村崇さんがとても素敵だと思いました。
青年時代から、晩年までお一人で演じていらっしゃいましたがロボットに育てられて人間らしさをずっと探している、「わからない」に込められた感情の揺らぎがぐっときましたし、ニュートラルな在り方がとても素敵な俳優さんだなと思いました。


なんだかロボットでも真剣にらしさを追求する中、私は一体どんならしさがあるのかとか、変な方向で若干凹んだという変なオチがありつつも、このifを観ることができてよかったのだと思います。






あー、トースト、食べたいな。