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170506 ドラマリーディング 日本文学名作選vol.4「三四郎/門」@紀伊國屋サザンシアター

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[出演]代永翼 / 西山宏太朗 / 田上真里奈 / 加藤英美里

おそらく、こういう機会がなければ触れることもなかったであろう夏目漱石
事前に三四郎のほうは一読していたのですが、出演者の皆様の解釈が加わることにより、私自身もより新たな解釈ができたりなど頭をフル回転させて想像力をふくらませて、ということができた一方で、門のほうまで読めていなかったことを少し悔いることに(苦笑)



「三四郎」をメインで演じたのは、代永翼さんと田上真里奈さん。
代永さんは主人公三四郎を、たのうぇいはヒロインの美禰子を演じていました。
代永三四郎は押しに弱く、九州男児なはずなのだけどどこか都会的ななよっとした感じがあって。
事前に抱いていた印象はもう少し暗さがある人だったイメージなのだけど、代永三四郎さんの気弱な青年感のほうが今となっては逆にすっと入ってくる感じで、声の力すごい。。。と。
代永さんはナレーションも担当されていたのですが、その中でまさかの女性声も演じていて思わず「!?」となるなど。

たのうぇいの美禰子は、個人的に色々な発見があってとてもおもしろかった!!
「三四郎」という作品において、主人公であったり、でてくる男性陣だったりが「迷える仔羊(ストレイシープ)」だと思っていたのですが。
美禰子というのは、頭も良いし美しいしという女性なのだけど、美禰子もまた「迷える仔羊(ストレイシープ)」で、色々なものを持ち合わせているのに恋においても自身の在り方においても「なにものでもない」という感じが強く印象に残っていまして。
それは声の演技だけじゃなくて、舞台役者としての強みではありますが、例えば目線―空を彷徨う虚ろな目線だったり、セリフがあるところで敢えて台本に目を落とさず目線を遠くに投げかけるなど、美禰子自身から出る虚しさ的なのが伝わってきました。
今回は朗読劇ではあったのだけど、普段と変わらず役を自分自身に落として役以上の感情を表現して伝えたいという姿勢が、私としてはとても大好きなのです。(なんだかうえちゃんねるのうえちゃんの観点っぽい感じですがw)
声幅だったりとか声音だったりとかは正直声優業を専門におこなっている皆様に強みがあるなとは感じたのですが、声優さんの表現と今回出演者の中で唯一の舞台を生業としている人とのアプローチの対比がとてもおもしろかった。


「門」をメインで演じていたのは西山宏太朗さんと加藤英美里さん、81コンビ!
西山さんは主人公宗助を、加藤さんはその妻の御米を演じられていました。
西山宗助さんは、すごく誠実なお人柄だぁ!という印象を受けました、とても一途。
三四郎とはある意味いい対比、迷い人三四郎、迷う余地がない宗助。
西山さんは、個人的に「三四郎」の野々宮であったり原口であったり、幅広い年齢の役を演じられていたのですが、どこか優しい感じがしますね、西山さんが演じると。
なんだかその優しい雰囲気が「門」という作品特有の「抗えない虚しさ」というのを更に増長させている気がしました。。。
あと、安井というワードに対して気配が鋭くなるというか負の感情がにじみ出る感じがまた印象的。
加藤御米さんは、とてもかわいらしい雰囲気で宗助よりきっと年下で小柄で体力なさそう(え)
個人的にたのうぇいとの声の対比がとても印象的だと思っていまして、どこか混じりけのある声なたのうぇいに対して、混ざり気がなくすっと身体に染み渡る100%リンゴジュース的な加藤さん。
なんか、多分、「門」って純粋に読むととてもずーんとくる作品だと思うんですよね、抗えない虚しさに打ちのめされるというか。
だけど今回その感じだけではなく感じたのは、御米の姿勢で、御米の一筋さが宗助の一筋さを際立たせていて。
宗助たる部分を押し上げる、変な感想かもしれないけど縁の下の力持ち感が、他者の芝居を引き上げる素敵な声優さんだなぁと感じました。


アフタートークでは、今回の朗読劇の感想を各々述べていくのですが、81コンビの加藤さんが今回の唯一の相方としての西山さんのことを述べると、西山さんは相方が3人ほどいて、加藤さんから浮気者的な雰囲気のオーラを感じたのか、「ほ、ほら、最後の相方が本命ですから」というフォローになっているのかなっていないのかわからない「相方」トークが面白かったです(笑)、代永さんの「言い方がw」と突っ込んでいるのがまた笑いましたw
たのうぇいは、朗読は初めてということと、今回のお稽古で一緒に稽古したメンバーの一人が井上麻里奈さんで、「まりなさん」と呼びかけられると両方共「はい」ってなっていたという代永さんのツッコミも受けつつ、演じる人が違うとこうもお芝居が違うのかという感想を持ったと。
また、夏目漱石の書く文章はとてもオシャレで読む人によっていろんな解釈ができて素敵だということもお話されていました。 代永さんは開口一番「あー、かみまくったぁ!!」と叫ぶw
いろんな美禰子とペアを組んで演じることとなったのですが、手のひらコロコロ具合が三者三様で、中にはすごい悪女の美禰子がいたりという暴露をしていて西山さんが僕そんな美禰子さんしらないのですがというと、二日目の美禰子さんがそうだったんだよーと返していましたw*1
今回組んだ、たのうぇいは優しさの中にちょっと悪女感があると評していて、美禰子と御米のキャラクターの対比だったりとか、三四郎はこれからもふらっふらするんだろうと。


いやぁ、素敵な時間でした、近いうちに「門」を読んでみようかと思います。

*1:おそらく、 津田美波さん?